願いを込めて ガイスラッガーのハッピーエンディングを試みる! @ちゃり

今回の「ショート@ちゃり」は、予定を変更してお送りします。
1977年の打ち切りアニメ「氷河戦士ガイスラッガー」の時代、原子力は夢のエネルギーでありました。
敵本拠への特攻兵器として造られた主人公たちサイバノイドのエネルギー源は、体内に組み込まれた超小型原子炉。しかも高速増殖炉型という設定です。
エンディング歌詞に「太陽のちから もえつくし」とあるように、特攻の切り札はおそらく核爆発であると思われます。
どうやっても破滅にしかなりようのないこの設定を! 今あえて! ハッピーエンドにする試み。

=氷河戦士ガイスラッガー 最終回を解釈=

特攻兵器である彼らはあまり長く生きるようには造られていない。
というより脳以外全て機械という不自然さは、生命維持において無理がある。
彼らを20世紀まで運んだ人口冬眠の主たる目的は、実は彼らの寿命を特攻時まで温存すること。
放送終盤あたりの時期になると彼らの寿命は細ってきていて、チームワークがギクシャクしたり寝過ごしたりのポカが増えてくるのもそのため。
彼ら自身それに気付き始め、5人だけで善後策の議論を進めていた。
不毛な戦いから退いて、少ない余生を楽しむか?
無駄でもいいからインベム星へ赴き、本懐を遂げるか?
どちらにせよ志岐家からは姿を消すのだから、今さら理解してもらう必要はない。
しかし思いのほか早く事態は転回し、いまや地球防衛軍は完成し、ジロが死んだ。

21光年の距離を越えるには、インベム軍も当然ワープを使う。
船にとっては一瞬でも、時間は最短21年経っている。前線への迅速な補給はありえない。
だから、これを迎え撃つとすれば地球はそれほど不利ではない。
彼らの本拠を消滅させてしまえば、あとは枯れるのを待つだけ。ただ1機のソロン号での特攻という発想はそこから生まれた。
だからソロン号は切り札以外の武器をたいして積んでいない。武器より防御に重点を置き、敵本拠地まで無事に乗り込むことを優先させている。
その最終兵器はソロン号と5人がもろとも自爆することで、星系ごと破滅させてしまうようなとんでもないシロモノ。

さて、何故わざわざインベムは地球を狙ってくるのか?
インベムにとっても地球がふるさとだからではないか。
夕子さんのご先祖(インベム人)が地球人と結婚して子孫が残せたということは、もともとが同じ生物である証拠と言える。
ソロンとインベム、どちらがルーツでも良いが、内紛~亡命~インベムとなって反撃、という流れだったのではないか。
肌の色が違うのは単に環境のせいだろう。
皇帝ババルの近衛は月でも宇宙服なし、かつ傷から青い液体が出ていたが、彼らがロボットだとすれば筋が通る。デガスもそれを知っていて、「お手並み拝見」という態度を取っていた。
このことから、皇帝の周囲は意外と人材が薄いと思われる。

=ハッピーエンドへの道=

ソロン号はインベム星めがけてワープイン~ワープアウト、この間最短21年。この航行を、モロカ星(インベムの被支配星)の地下組織がトレースしていた。
トレース元はかつてソロン号に乗り込んだことがあるモロカ星人の残留生体反応。
地下組織はワープアウト直後のソロン号を捕獲し、特攻をやめるよう説得する。
『もし最終攻撃を行えば、もとは地球人と同じ祖先を持つインベム人、それに被支配者をも星ごと消滅させてしまう。それはあまりに傲慢にすぎる』
特攻ではなく機動力と技術力で、地下組織を強化する方向での協力を請われ、ガイスラッガーはそれを受け入れる。
そして準備期間を経て、被支配各星での一斉蜂起、
インベム軍の内部崩壊(デガスが戻ってきて寝返るとか?)が並行して起こる。
皇帝の居城へソロン攻撃で突入、退位させて幽閉。
皆が全ての歴史を知り、侵略でなく、手を携えて共存の道を探る。

やがてインベム軍のお抱え科学者の中から、3万年前のソロンにルーツを持つグループが名乗り出てくる。
当時の戦いの最中に拉致されたソロンの科学者たちが、そのまま代々研究生活を送っていた。
ものすごい科学力を磨き上げていて、ガイスラッガーたちを非戦闘サイバノイドに作り変えることができるという。人間に戻すことはできないまでも、寿命も身体能力も人間並みに、つまりこれからの人生を、人として過不足なく全うできるような存在に。
ここでガイスラッガーに選択の自由が与えられる。
これは戦時を生きてきた彼らにとって、生まれて初めての自由。
今のままの体でいたいなら、それでもできるだけ長く生きられるように科学者たちがケアしてくれる。
が、人並みに生きるなら、人並みの苦労もあるだろう。
どちらかを選ばなければならない。時間はあまり残されていない。

そして地球。
彼らが旅立ってから50年ほど経つだろうか?
平和な地球で、浩君もすっかりおじさんになっている。孫の手を引いて、家族で街に。
その子がはしゃぎすぎて転び、その時たまたますれ違った少年少女に声をかけられる。
「あらっ 大丈夫?」
「大丈夫だよな!」
「がんばれ」
彼ら、手は貸さない。そのまま歩き去っていく。
起き上がった孫の服についた砂を払ってやりながら、彼らの後姿をまじまじと見送る浩、
「どうしたの」と問う奥様に、
「いや、昔の友達に似てたんだ。そっくりだった」
もしも彼らが無事に戦いを終え、21光年を越えて帰ってくるならば、今ごろになるのかも…
浩、しばし切なそうに雑踏を眺め、
「…いや、いいんだ」
家族と笑いあって、少年たちとは逆方向へ歩き出す。
雑踏に紛れる間際、少年の一人が軽く振り返ってウインク。
あっという間に人波がその姿をかき消す。
平和な街並みの遠景。
遠くの山並みの上、晴れ渡る青い空に、陽光の煌き。小鳥のさえずり。

END


さて…

ENDLESS

願いと祈りをこめて。

 
 
 
 

| | コメント (3) | トラックバック (0)