レビュー「博士の愛した数式」;ちゃり

小川洋子著

新潮文庫

映画を観てから原作を読みました。どちらの作品も、良かったです。

映画なりに小説とは若干違えてある部分も含めて、原作の透明感は損なわれていなかったのではないかな。

先に映画を観てしまったので、正当な評価はできていないかもしれませんが。

本屋大賞を取った作品(でしたよね、うろ覚え)だけに、素敵な読書時間が過ごせます。さすがに専門家がお勧めするだけのことはあります。

「かけがえのない時間」の透明な結晶を目の前にかざして眺め、その美しさに思わずため息をつくような、そんな読後感でした。

時間、記憶、思い出、想い、そういった大切なものの中への旅に誘われます。

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レビュー「海賊モア船長」;ちゃり

海賊モア船長の遍歴
多島斗志之著
中央公論社 '98/7/7

海賊モア船長の憂鬱
多島斗志之著
集英社 '05/10/30

共に航海し冒険を味わった前作から7年経って、モア船長との、久々の邂逅。
しかし今回、海賊たちの活躍は若干おとなしめ。モア船長も脇役すれすれです。
海軍の猛攻迫り来るクライマックスでは、読んでいてこちらも覚悟を決めかけました。

前作の版型が二段組だったのに比べて、新作では1段。どうしても密度に差を感じてしまうのは、仕方のないところ。
やりきれない、現実的な悲運を辿る登場人物もいて、純粋な冒険譚とは言いがたいかもしれない。
しかし懐かしいモア船長はそのままだし、男爵も健在。ナッシュ船長も魅力的。
もしも続編があるなら、またぜひ読みたい。待ち遠しく思える作品です。
お勧め度は…やはり前作のほうが高いですが。
17~18世紀の帆船による航海の様子、地図、海賊の掟、海軍との戦い。
異国の姫、ワケありの海賊たち、権謀術策。
いや、もう難しいことは言わず、
船と海。
二冊あわせて、お勧めです。

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